なにわ伝統野菜
近年「伝統野菜」という言葉は、在来野菜-その地方の気候風土に適しその地方で古くから栽培されてきた地方品種-とほぼ同義に使われています。
水茄子
歴史
水茄子は「炎天下の農作業で、喉が渇いたときに食べて渇きを癒した」と言われるほど、果実の水分が多いナスであり、浅漬に卓越した食味のある伝統野菜のひとつです。
記録から、奈良時代~平安時代にはナスを生のまま食べたり、醤漬、糟漬、干ナスとして食べていたことがわかっています。そして、室町時代には「澤(さわ、みず)茄子または水茄子」という名称が初めて文献に登場します。当時は水分の多い特性から果物の一種として、また生で食べることのできる特別な品種として位置づけられていたようです。
現在の消費、販売の動向
『近畿中国農業試験研究成績・計画』(1997)などで、内藤重之らが行った泉州地域における水ナスのアンケート調査では、シーズン中水ナスを「食べなかった」家庭は4%、ほとんど毎日食べる過程が22%でした。水ナスがマスコミなどで取り上げられるようになった今日では、大阪市内など泉州以外でのアンケートでも「知っており食べたことがある」人々が65%でした。20代でも「食べたことがある」人が48%と、約半数に昇っています。また、水ナスを購入した家庭に対する購入のアンケートでは6割が「今後もこのまま」、3割が「増加する」と答えました。
一方、マスコミの影響で知名度が上がったことから「この美味しさをお世話になった方に伝えたい」と、贈答用として購入されるケールも増えています。
なにわ伝統野菜17品目
古くから大阪の食を支えてきた大阪独自の野菜のうち、100年以上前から大阪で栽培され、苗や種子の来歴が明らかで、現在も大阪府下で栽培されている野菜―17品目が「なにわ伝統野菜」です。
- 毛馬胡瓜(けまきゅうり)
- 天王寺蕪(てんのうじかぶら)
- 玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)
- 田辺大根(たなべだいこん)
- 金時人参(きんときにんじん)
- 勝間南瓜(こつまなんきん)
- 芽紫蘇(めじそ)
- 高山真菜(たかやままな)
- 高山牛蒡(たかやまごぼう)
- 大阪しろな
- 鳥飼茄子(とりかいなす)
- 服部越瓜(はっとりしろうり)
- 三島独活(みしまうど)
- 吹田慈姑(すいたくわい)
- 泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)
- 守口大根(もりぐちだいこん)
- 碓井豌豆(うすいえんどう)
参照:
大阪府/なにわの伝統野菜 http://www.pref.osaka.jp/nosei/naniwanonousanbutu/dentou.html